”象牙質知覚過敏症”のお話 & 高齢者の唾液量の個人差について
- スタッフブログ
エナメル質に覆われている、もしくは歯肉に覆われている状態のはずの象牙質が露出していると、
「冷たい」「甘い」「酸っぱい」などの刺激が加わったときにしみるなどの痛みが発生し、
これらの刺激が無くなれば痛みも消失します。
この一時的で鋭い痛みが発生するのが象牙質知覚過敏症です。
象牙質知覚過敏症の原因はいくつかあります。
オーバーブラッシングによる歯肉退縮
歯ブラシの毛先の当て方による問題や、ブラッシングする際の過度の圧や動かし方により
歯肉が退縮してしまうことで象牙質が露出してしまうことで起こる場合
この場合は正しいブラッシング方法で歯磨きを行う必要があります。
外傷性咬合による歯肉退縮
歯ぎしりや食いしばり、咬み合わせが強く当たることが原因で
歯肉退縮がしてしまい象牙質が露出してしまうことで起こる場合
この場合、マウスピースの使用や咬み合わせの調整等を行います。
他にもさまざま原因がありますが、よく考えられる原因を今回は二つ挙げています。
これらの原因をつきとめることで、象牙質知覚過敏症の痛みを緩和させることができます。
当医院では露出した象牙質に知覚過敏抑制材料を用いてコーティングする方法や
コンポジットレジンで修復する治療を行っております。
お気軽にご相談ください。
次は”高齢者の唾液量の個人差について”のお話です。
唾液量減少の原因はさまざまですが、複数の要因が重なると個人差が大きくなります。
最近では、健常高齢者の唾液分泌量は若年者と比較して大きく減少しないとされていますが、複数の要員が重なると個人差が大きくなります。
《薬の副作用》
とくに睡眠薬、抗不安薬、抗うつ剤、抗アレルギー剤、風邪薬、抗コリン薬は口腔乾燥を生じやすく、胃薬、降圧剤、抗不整脈薬、骨粗鬆症治療薬、抗がん剤、免疫抑制剤にも口腔乾燥を引き起こすものがあります。高齢者は身体組成が変化するため、全身の筋肉量が減少し体脂肪率が高まることで、実際の体重よりも薬剤の適応量が低下します。さらに、臓器の老化により代謝速度が低下すると、薬剤の主作用や副作用が長時間継続しやすくなります。
《ストレス》
唾液を分泌する唾液腺は「自律神経」によって支配されています。緊張や不安で交感神経が優位になると、漿液性唾液の分泌を抑制し粘液性唾液を分泌するため口腔内が粘つきます。ストレス、うつ、運動不足等による血流低下からも口腔乾燥が生じやすくなります。
《老化・慢性疾患にともなう筋力低下・血流低下・腺組織の脂肪変性》
サルコペニアによって30代から筋力の低下が始まります。唾液腺は筋肉に囲まれているので、筋力低下は唾液減少につながります。また、老化にともない唾液腺が萎縮することも知られています。唾液は血液成分から作られているため、慢性疾患により循環器系の異常が生じると、唾液分泌が減少します。サルコペニアによる低位舌や肥満から気道が閉塞すると、睡眠時無呼吸や口呼吸から夜間の口腔乾燥が起こりやすくなります。口腔疾患により咀嚼障害を受けると、唾液腺への刺激の低下から唾液量が減少します。
当院では、65歳以上の方に口腔機能検査を行いいくつかの項目で検査に引っかかった場合はトレーニングの方法など説明しています。
もちろん、検査に引っかからなかった方にもトレーニング方法が載っているプリントをお渡しして説明しますので予防でトレーニングして頂くのをオススメしています。
一度検査をして異常がなかったら終わりではなく引き続き当院でお口のメンテナンスと共に異常がないかは経過観察させて頂きます。
当院へお気軽にお越しください!
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