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白い歯で笑顔に自信を!歯科医院のホワイトニング、種類・手順・注意点を歯科衛生士が徹底解説

  • 審美歯科

こんにちは。熊本県上益城郡の歯医者、ひがし歯科医院の歯科衛生士 大野です。新生活や大切なイベントを前に、「歯の色を明るくして、もっと笑顔に自信を持ちたい」と願う方が増えています。当院にも、ホワイトニングに関するご相談が、年代や性別を問わず、本当に多く寄せられます。

「ホワイトニングって、具体的にどんな種類があるの?」 「歯医者さんで行う処置の手順は?」 「痛みや、治療後の注意点はあるの?」

テレビCMやインターネットで「ホワイトニング」という言葉はよく耳にするけれど、その実態はよく分からない、という方も多いのではないでしょうか。歯の色は、お顔全体の印象を大きく左右する重要な要素です。だからこそ、正しい知識を持って、ご自身に合った方法を選んでいただきたいと思っています。今回は、そんな皆様の疑問にお答えすべく、歯科衛生士の立場から、歯科医院で行う医療ホワイトニングの種類、具体的な手順、そして治療前後に知っておくべき注意点まで、詳しく解説していきます。

目次

  1. そもそもホワイトニングとは?歯が白くなる仕組みと種類
  2. オフィスホワイトニング:短期間で効果を実感したい方へ(手順と特徴)
  3. ホームホワイトニング:ご自宅でじっくり、理想の白さを目指す方へ(手順と特徴)
  4. デュアルホワイトニングと、神経のない歯のホワイトニング
  5. 治療前に必ず確認を!ホワイトニングの主な注意点とアフターケア
  6. まとめ

1. そもそもホワイトニングとは?歯が白くなる仕組みと種類

まず、「ホワイトニング」とは何か、その基本的な仕組みからご説明します。歯が黄ばんだり、くすんで見えたりする原因は、大きく二つあります。一つは、コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、タバコのヤニなどに含まれる「色素」が、歯の表面に付着する「外因性(がいいんせい)の着色」。もう一つは、加齢や、過去の歯の神経の治療、テトラサイクリン系抗生物質の影響などで、歯の内部(象牙質)の色が濃くなる「内因性(ないいんせい)の変色」です。

歯磨き粉や歯科医院でのクリーニング(PMTC)で落ちるのは、主に「外因性の着色」です。しかし、歯の内部にまで沈着した色素や、加齢による黄ばみは、これだけでは白くなりません。そこで登場するのが、私たちが「ホワイトニング」と呼ぶ治療です。歯科医院で行う医療ホワイトニングは、「過酸化水素」や「過酸化尿素」といった、厚生労働省に認可された薬剤の化学的な力(酸化還元反応)を利用して、歯の内部に沈着した色素を分解し、歯そのものの色を内側から明るく、白くしていく治療法を指します。

この医療ホワイトニングには、大きく分けて3つの種類があります。

  1. オフィスホワイトニング:歯科医院(オフィス)で、専門家(歯科医師・歯科衛生士)が行う方法。
  2. ホームホワイトニング:歯科医院で専用のマウスピースを作り、ご自宅(ホーム)で患者様ご自身が行う方法。
  3. デュアルホワイトニング:上記2つの方法を併用し、より高い効果を目指す方法。

最近では、エステサロンなどで「セルフホワイトニング」と呼ばれるサービスもありますが、これらは医療機関ではないため、過酸化水素などの「漂白」成分は使用できません。主に、歯の表面の汚れを浮かせて落とすことが目的であり、歯そのものの色を明るくする医療ホワイトニングとは、根本的に異なるものです。今回は、私たち医療機関で提供する、確実な効果が期待できる上記3つの方法について、詳しく掘り下げていきます。

2. オフィスホワイトニング:短期間で効果を実感したい方へ(手順と特徴)

「オフィスホワイトニング」は、その名の通り、歯科医院の中で、全ての処置を私たち専門家が行う方法です。「大事なイベント(結婚式や面接など)までに、できるだけ早く白くしたい」「自分で毎日続けるのは面倒」といった、即効性と手軽さを求める方に最も適しています。

【オフィスホワイトニングの具体的な手順】

  1. カウンセリングと診査:まず、患者様のお悩みやご希望の白さのトーンを伺います。同時に、虫歯や重度の歯周病がないか、ホワイトニングが可能な状態かをチェックします。
  2. クリーニング:歯の表面に汚れや歯石が付着していると、ホワイトニング剤が均一に浸透しません。まずは、歯の表面を徹底的にクリーニングします。
  3. 歯茎(はぐき)の保護:使用する薬剤は高濃度のため、歯茎に付着すると炎症を起こす可能性があります。唇や歯茎を、専用の保護剤(光で固まるジェルなど)で丁寧にガードします。
  4. ホワイトニング剤の塗布:歯の表面に、高濃度の過酸化水素を主成分とした薬剤を塗布します。
  5. 光照射:薬剤の効果を促進させるため、専用の特殊なライト(LEDやレーザーなど)を一定時間(通常10~15分程度)照射します。
  6. 薬剤の除去と塗布の繰り返し:一度薬剤を除去し、この④と⑤の工程を、当日の白さの目標に応じて2~3回繰り返します。
  7. 保護剤の除去と仕上げ:全ての照射が終わったら、薬剤と保護剤を綺麗に洗い流し、知覚過敏を抑える薬剤や、歯のトリートメント剤を塗布して終了です。

【メリットとデメリット】

  • メリット(身体的・精神的):最大のメリットは、1回の来院(約60~90分)で、白さの変化を実感できる即効性です。全ての処置を専門家が行うため、患者様ご自身の手間は一切かからず、安全で確実です。「すぐに白くなった」という満足感は、精神的にも非常に大きいものです。
  • デメリット(経済的・身体的):高濃度の薬剤を使用するため、費用はホームホワイトニングに比べて高額になる傾向があります(経済的デメリット)。また、処置中や処置後に、歯がしみるような知覚過敏の症状が出やすい傾向があります(身体的デメリット)。この痛みは一時的なもので、通常24時間以内に治まりますが、痛みに敏感な方にはつらい場合があります。さらに、短期間で白くする分、色の「後戻り」もホームホワイトニングに比べてやや早い傾向があるため、白さを維持するには定期的なメンテナンスが必要です。
  • 治療期間:1回の来院で完了しますが、ご希望の白さによっては、数回通院していただく場合もあります。

3. ホームホワイトニング:ご自宅でじっくり、理想の白さを目指す方へ(手順と特徴)

「ホームホワイトニング」は、歯科医院でご自身の歯並びに合わせた専用のマウスピース(カスタムトレー)を作製し、ご自宅でそのトレーに低濃度のホワイトニング剤(過酸化尿素が主成分)を入れ、毎日一定時間(通常1日1~2時間程度)装着していただく方法です。「通院する時間があまりない」「自分のペースで、じっくりと理想の白さにしたい」「できるだけ費用を抑えたい」という方に適しています。

【ホームホワイトニングの具体的な手順】

  1. カウンセリングと診査:オフィスホワイトニングと同様に、まずお口の状態をチェックします。
  2. クリーニング:薬剤が均一に作用するよう、歯の表面の汚れを落とします。
  3. 歯型の採取:患者様専用のカスタムトレーを作製するため、精密な歯型を採ります。
  4. トレーと薬剤のお渡し(後日):完成したトレーと、ホワイトニング薬剤(ジェル)をお渡しします。この際、歯科衛生士が、薬剤の適切な量(米粒大程度)や、トレーの装着方法、装着時間、注意事項について、詳しくご指導します。
  5. ご自宅での実践:ご指導内容に基づき、患者様ご自身で、 毎日就寝中、トレーを装着します。これを約2週間~4週間ほど継続していただきます。
  6. 経過チェック:治療期間中、または終了後にご来院いただき、白さの変化や、知覚過敏などの問題が起きていないかをチェックします。

【メリットとデメリット】

  • メリット(経済的・身体的):低濃度の薬剤を使用するため、知覚過敏が出にくい(身体的メリット)のが特徴です。万が一しみても、ご自身で装着時間を短縮したり、1日おきにするなどの調整が可能です。また、オフィスホワイトニングに比べて費用が安価(経済的メリット)です。時間をかけてじっくりと内部から白くしていくため、薬剤が深く浸透し、白さの透明感が高く、後戻りしにくい(効果が長持ちする)という、最大の利点があります。
  • デメリット(精神的・身体的):効果を実感できるまでに時間がかかる(約2週間~)ため、即効性はありません。そして最大のデメリットは、患者様ご自身の「自己管理」が全てである、という点です(精神的・身体的デメリット)。毎日決められた時間を継続する「根気」が必要であり、サボってしまうと、全く効果が出ません。また、薬剤の量を間違えると、歯茎を痛める原因にもなります。

4. デュアルホワイトニングと、神経のない歯のホワイトニング

オフィスホワイトニングとホームホワイトニング、それぞれの長所と短所をご紹介しましたが、この二つを組み合わせた、最も効果の高い方法もあります。それが「デュアルホワイトニング」です。

  • デュアルホワイトニング
    • 手順:まず歯科医院でオフィスホワイトニングを行い、一気に歯を白くトーンアップさせます。その後、ご自宅でホームホワイトニングを継続していただくことで、オフィスホワイトニングの即効性と、ホームホワイトニングの色持ちの良さ、透明感という、両方のメリットを享受することができます。
    • 特徴:短期間で理想の白さに到達でき、かつ、最も白さの限界値(目標とする白さ)を高めることができ、後戻りもしにくい、最強のホワイトニング方法と言えます。
    • デメリット:当然ながら、両方の治療を行うため、費用は最も高額になります。また、ホームホワイトニング同様、ご自身の自己管理も必要となります。
  • 神経のない歯のホワイトニング(ウォーキングブリーチ) 「1本だけ黒ずんでいる歯がある」というご相談もよくいただきます。これは、過去に歯の神経を抜く治療(根管治療)を受けた歯が、時間の経過とともに変色してしまったケースがほとんどです。このような歯は、外側から薬剤を塗る通常のホワイトニングでは白くなりません。この場合、「ウォーキングブリーチ(インターナルブリーチ)」という特殊な方法を用います。
    • 手順:歯の裏側に小さな穴を開け、歯の内部に漂白作用のある薬剤を入れ、仮の蓋をします。薬剤を1~2週間ごとに交換しながら、歯が内側から徐々に白くなっていくのを待ちます。
    • 特徴:通常のホワイトニングでは対応できない、神経のない歯(失活歯)を白くできる唯一の方法です。
    • 費用:健康保険は適用されず、自由診療となります。治療期間は、変色の程度によりますが、数週間~数ヶ月かかる場合があります。

このように、一言でホワイトニングと言っても、患者様のお口の状態やご希望に応じて、様々な選択肢をご提案できるのが、私たち歯科医院の強みです。

5. 治療前に必ず確認を!ホワイトニングの主な注意点とアフターケア

ホワイトニングは、安全性の高い治療ですが、どなたでも受けられるわけではなく、また、治療後には守っていただきたい重要な注意点があります。これらを知らないまま治療を進めてしまうと、「思ったように白くならなかった」「すぐに色が戻ってしまった」といった後悔に繋がる可能性があります。

  • ホワイトニングができない(または効果が出にくい)方
    • 妊娠中・授乳中の方:安全性が確立されていないため、原則として行うことができません。
    • 重度のむし歯や歯周病がある方:薬剤がしみる原因となったり、病状を悪化させたりする可能性があるため、まずはそちらの治療を優先する必要があります。
    • 無カタラーゼ症の方(非常に稀な疾患です):過酸化水素を分解できないため、禁忌となります。
    • 知覚過敏が重度の方:症状が悪化する可能性があるため、慎重な判断が必要です。
  • 【最重要】ホワイトニングで白くならないもの 薬剤で白くできるのは、ご自身の天然の歯だけです。むし歯治療で詰めたプラスチック(レジン)、セラミックなどの被せ物・詰め物、入れ歯の人工歯などは、ホワイトニングを行っても、一切白くなりません。 もし、前歯に被せ物がある方がホワイトニングを行うと、周りの天然歯だけが白くなり、被せ物の色だけが取り残されて、かえって目立ってしまう、という事態になります。その場合は、ホワイトニングで周りの歯の色を明るくした後に、その色に合わせて被せ物をやり直す、といった追加の治療計画が必要になります。
  • 治療中・治療後の知覚過敏について ホワイトニングの最も一般的な副作用が、一時的な「知覚過敏(歯がしみる症状)」です。これは、薬剤の刺激によるもので、病的なものではありません。通常は24時間以内に治まります。もし痛みが強い場合は、痛み止めを服用したり、知覚過敏抑制効果のある歯磨き粉を使用したりすることで、症状を和らげることができます。ホームホワイトニングの場合は、一時的に使用を中断することで対応できます。
  • 治療後の食事制限について ホワイトニング直後の歯は、表面の保護膜(ペリクル)が一時的に剥がれており、外部からの色素を非常に吸収しやすい、デリケートな状態になっています。この状態は、処置後24~48時間続くとされています。この期間中に、色の濃い飲食物を摂取してしまうと、ホワイトニング前よりもかえって歯が着色してしまう「色戻り」の大きな原因となります。
    • 避けるべき飲食物の例コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、醤油、ソース、ケチャップ、ぶどうジュース、ベリー系の果物、チョコレート、タバコ(ヤニ)など。
    • 摂取しても良い飲食物の例:水、牛乳、白米、パン、塩ラーメン、クリームシチュー、白身魚、鶏肉など、「色の薄い」もの。 この食事制限は、ホワイトニングの成果を長持ちさせるために、非常に重要です。
  • ホワイトニングは永久ではない ホワイトニングの効果は、残念ながら永久ではありません。日常生活での飲食や加齢により、歯の色は徐々に元の色に戻っていきます(後戻り)。この美しい白さを維持するためには、ご自宅での着色しにくい食生活の心がけや、着色汚れを防ぐ歯磨き粉の使用、そして歯科医院での定期的なクリーニングが不可欠です。また、数ヶ月~1年に1回程度、追加のホワイトニング(タッチアップ)を行うことで、白さを維持していくことが可能です。

6. まとめ

歯科医院で行うホワイトニングについて、その種類、手順、そして重要な注意点をご理解いただけましたでしょうか。最後に、歯科衛生士の大野から、大切なポイントをもう一度おさらいします。

  1. 歯科医院のホワイトニングは、歯の内部の色素を分解して、歯そのものを白くする「医療行為」です。
  2. オフィスホワイトニングは、即効性があるが、費用が高く、知覚過敏や後戻りの可能性がある。
  3. ホームホワイトニングは、効果が長持ちし、費用も抑えられるが、自己管理と継続が不可欠。
  4. 最も効果が高いのは、両方を併用するデュアルホワイトニングである。
  5. 詰め物・被せ物は白くならないため、治療計画には注意が必要。
  6. 治療成功の鍵は、直後の食事制限(24~48時間)と、その後の定期的なメンテナンスにある。

歯が白くなると、見た目の印象が明るくなるだけでなく、ご自身の笑顔に自信が持てるようになり、精神的にも非常にポジティブな影響をもたらします。「歯の色が気になる」というコンプレックスを解消し、より輝く毎日を送るためのお手伝いができることを、私たち歯科衛生士は心から嬉しく思っています。

熊本県上益城郡のひがし歯科医院では、患者様一人ひとりのお口の状態や、ライフスタイル、ご希望の白さのトーンを丁寧にお伺いした上で、最適なホワイトニングプランをご提案させていただきます。カウンセリングだけでも大歓迎ですので、「まずは話だけでも聞いてみたい」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。