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歯垢(プラーク)と歯石は何が違うの?歯科衛生士が教える「歯医者さんでのクリーニング」が必要な理由

  • 予防歯科

こんにちは。熊本県上益城郡の歯医者、ひがし歯科医院の歯科衛生士 大野です。

皆さんは、歯科医院で「プラークが残っていますね」や「歯石が溜まっていますね」と言われたことはありませんか? どちらもお口の中の汚れを指す言葉ですが、この2つの違いを正確にご存知の方は意外と少ないかもしれません。

「毎日歯磨きをしているのに、どうして歯医者に行かないといけないの?」 「歯石って、取らないといけないの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。実は、この歯垢(プラーク)と歯石の正体を知ることこそが、いつまでもご自身の歯を守るための第一歩なのです。今回は、歯科衛生士の視点から、この2つの違いと、なぜプロによるクリーニングが必要なのかについて、分かりやすく解説していきます。

目次

  1. 歯垢(プラーク)の正体は「食べカス」ではありません
  2. 放置するとどうなる?48時間で「歯石」への変化が始まる
  3. 歯石は歯ブラシでは取れない!負のスパイラルとは
  4. 私たち歯科衛生士にお任せください!プロケアの重要性
  5. まとめ

1. 歯垢(プラーク)の正体は「食べカス」ではありません

まず、歯垢(プラーク)についてです。 歯の表面を爪で引っ掻くと、白くてネバネバしたものが付いてくることがありますが、これが歯垢です。

多くの方が「これは食べカスだろう」と思われていますが、実は全くの別物です。歯垢の正体は、細菌の塊(かたまり)です。 驚かれるかもしれませんが、わずか1mg(スプーン一杯の千分の一程度)の歯垢の中には、なんと数億〜10億個もの細菌が住み着いていると言われています。

この細菌たちは、ネバネバとした物質を出して歯の表面に強力に張り付きます。水でゆすぐ程度では取れませんが、この段階であれば、歯ブラシやデンタルフロスを使って、ご自身で擦り落とすことが可能です。つまり、毎日の歯磨きは、この細菌の塊を除去するために行っているのです。

2. 放置するとどうなる?48時間で「歯石」への変化が始まる

では、磨き残してしまった歯垢をそのまま放置するとどうなるのでしょうか。

唾液の中には、カルシウムやリンといったミネラル成分が含まれています。歯垢が長時間歯に残っていると、この唾液成分と結びつき、石灰化という化学反応を起こしてカチカチに固まり始めます。これが歯石です。

恐ろしいことに、柔らかい歯垢が硬い歯石に変化し始めるまでの時間は、たったの48時間(2日間)と言われています。一度歯石になってしまうと、もう歯ブラシの毛先では太刀打ちできません。石のように歯にこびりついてしまい、ご家庭でのケアでは絶対に取ることができなくなってしまうのです。

3. 歯石は歯ブラシでは取れない!負のスパイラルとは

「硬くなったのなら、蓋をして閉じ込めたことになるから、そのままでも良いのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、歯石はただの石ではありません。

歯石の表面は、軽石のように無数の小さな穴が空いており、ザラザラしています。このザラザラした場所は、細菌(歯垢)にとって絶好の隠れ家となります。 ツルツルの歯の表面よりも、ザラザラした歯石の上には、新しい歯垢があっという間に溜まっていきます。そして、その歯垢がまた新しい歯石となり、雪だるま式に大きくなっていくのです。

この歯石が歯と歯ぐきの境目に溜まると、そこを住処とする歯周病菌が毒素を出し、歯ぐきを腫らせ、やがては歯を支える骨を溶かしていってしまいます。これが歯周病の始まりです。つまり、歯石を放置することは、細菌のマンションを増築し続けているのと同じことなのです。

4. 私たち歯科衛生士にお任せください!プロケアの重要性

一度できてしまった歯石は、ご自身では取れません。そこで登場するのが、私たち歯科衛生士です。

私たちは、スケーラーという専用の器具や、超音波の機械を使って、歯にこびりついた歯石をきれいに除去します(スケーリング)。 「歯石取りは痛い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、定期的に通っていただき、歯石が小さく柔らかいうちに除去すれば、痛みはほとんどありません。むしろ、お口の中がスッキリして気持ちが良いと感じていただけるはずです。

私たち歯科衛生士の仕事は、単に汚れを取るだけではありません。患者様一人ひとりの歯並びや癖に合わせて、「どこに歯垢が残りやすいか」「どうすればご自宅でうまく磨けるか」をアドバイスさせていただくことも大切な役割です。

まとめ

歯垢と歯石の違いについて解説しました。

  1. 歯垢(プラーク)は細菌の塊で、歯ブラシで落とせます。
  2. 歯石は歯垢が唾液成分で固まったもので、歯ブラシでは落とせません。
  3. 歯石の表面はザラザラしており、さらなる細菌を呼び寄せて歯周病を悪化させます。
  4. 歯石を取るには、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。

「毎日の歯磨き(セルフケア)」と「歯科医院での歯石取り(プロケア)」。この2つが車の両輪のようにうまく回って初めて、むし歯や歯周病から歯を守ることができます。

熊本県上益城郡のひがし歯科医院では、皆様が一生ご自身の歯で美味しく食事ができるよう、歯科衛生士が全力でサポートいたします。しばらく歯医者に行っていないなという方は、ぜひ一度クリーニングにいらしてください。ピカピカの歯で、気持ちの良い毎日を過ごしましょう。