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歯の神経治療について

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こんにちは!熊本県上益城郡の歯医者、ひがし歯科医院歯科衛生士の大野です。
「虫歯が神経まで到達しているので、歯の神経治療をしましょう」
そうしてはじまった神経治療、やたら通院回数はかかるし、一体なにをしているんだろう…?
そんな経験をされた方、これから治療を控えている方、今回は歯の神経治療について詳しく説明するとともに、そのメリットやデメリット、治療の流れ、治療期間や費用についても触れていきます。歯の健康を守るためにしっかりとした知識を身につけておきましょう。

目次

  1. 歯の神経治療とは?
  2. 歯の神経治療が必要な場合
  3. 治療の流れと期間
  4. 治療のメリットとデメリット
  5. 治療費用の目安と保険適用

歯の神経治療とは?

歯の神経治療とは、むし歯や外傷により痛みや炎症が発生した歯の神経を取り除き、歯の根の中を清掃・消毒した後、密閉する治療法のことを指します。この治療を根管治療とも呼び、むし歯が進行して歯の内部にある神経まで達した場合によく行われます。根管治療を行うことで痛みを取り除き、歯を保存することが可能になります。
歯の内部には歯髄という柔らかい組織があり、その中には血管や神経が含まれています。この歯髄が感染すると炎症を起こし、強い痛みや不快感を生じることが多いです。歯の神経治療は、この感染した歯髄を取り除き、根管内を洗浄し、封鎖することで再感染を防ぎます。

歯の神経治療が必要な場合

歯の神経治療が必要になる一番一般的な理由は、むし歯の進行によって歯髄が感染することです。むし歯が歯の表面だけでなく内部に進行すると、歯髄に達し炎症を引き起こします。これは非常に痛みを伴うことが多く、放置すると痛みが更に広がり、歯周囲の組織にまで影響を及ぼす可能性があります。
また、外傷によって歯が割れたり欠けたりして歯髄が露出した場合や、過去に治療を行ったが不十分であった場合にも、歯の神経治療が必要になることがあります。外傷によって歯の神経にダメージが加わると、その範囲や程度によって痛みが現れ、さらに感染が広がることを防ぐため、早期の治療が求められます。

治療の流れと期間

歯の神経治療は、通常3〜4回の来院で完了しますが、症状や歯の状態によっては数回の追加治療が必要なこともあります。初回の診療時には、まずレントゲン撮影を行い、歯の内部状態を確認します。その後、局所麻酔を行ってから歯の表面を削り、歯髄を取り除きます。(神経の反応がない場合、麻酔は使用しない場合もあります)
取り除いた後は、特殊な器具を使用して根管内を洗浄し、消毒をします。これにより、細菌の繁殖を防ぐことができ、再感染のリスクを大幅に減少させます。最後に、根管内に薬を入れて仮封(仮の蓋)をします。
根管内に入れたお薬は1週間ほどで交換が必要となり、約1週間おきの通院で根管内の状態が綺麗になれば最終的な薬を入れて治療は終了です。
最終的なお薬が入るタイミングは個人差がありますが通常3〜4回程度です。
しかし、神経の治療が終われば今度は被せ物の治療です。歯の土台となる部分を作り、被せ物の型取りをしてセットまで、通常2〜3回の通院が別途必要となります。
(状態によっては被せ物をせず歯科用レジンで塞ぐのみの場合もあります。)
一般的に、神経治療の施行時間は1回あたり約30分程度ですが、症状が重い場合や難しい部位の治療が必要な場合には、それ以上の時間がかかることもあります。

治療のメリットとデメリット

神経治療の最大のメリットは、痛みを取り除き歯を保存できることです。歯髄が感染した場合、放置すればその歯を失う可能性が高まりますが、神経治療を行うことで歯の抜歯を回避できるケースが多くあります。
一方で、デメリットとしては治療自体が複雑で、何度も通院が必要になる場合があること、また再感染する可能性があることが挙げられます。再感染が起きると、再度治療が必要になったり、最悪の場合除去することもあります。
また、神経を取り除くと歯の感覚がなくなり、自然な歯に比べて脆くなります。このため、治療後はクラウン(被せ物)を装着することが推奨される場合が多く、この費用が追加的にかかることがあります。
治療をしたから元通り、というわけではなくあくまで「歯の延命治療」であり健康な歯に比べて歯の寿命は短くなるため、根管治療を避けるための予防は必要です。

治療費用の目安と保険適用

歯の神経治療は健康保険が適用されることが一般的です。その費用は、治療の度合いや歯の部位によって異なりますが、保険適用後の自己負担額は、1回あたり数千円程度が一般的です。具体的な費用は、診療の内容や使用する材料によって変動しますので、事前に歯科医院で確認することをおすすめします。
健康保険が適用される治療であることから、経済的な負担が少なく済むケースが多いですが、金属ではなくセラミックなどの自費診療の場合は通常の治療より高額になることが考えられます。歯科医院では適切な治療方針と合致する選択をするために、治療前に十分に相談し、納得のいく治療を受けることが重要です。

まとめ

歯の神経治療は、むし歯や外傷から歯髄が感染した際の最良の治療法として広く行われています。その治療により、痛みを取り除くことができると共に歯を長期間にわたって保存できる可能性が高くなります。患者の皆様には治療に伴うメリットやデメリットをよく理解していただき、適切な診断と治療を受けることをお勧めします。歯に違和感や痛みがある際には、早めの診察が健康維持に繋がりますので、是非とも気軽に歯科医院を訪れてください。